料理における人生を変えた本「 強火をやめると誰でも料理がうまくなる!」
今にして思えば…なんですが、料理をするようになったきっかけはこの本でした。
著者は水島弘史先生。初期の頃に書かれた本のようです。
テレビに出られているのでご存知の方が多いと思うのですが、テレビのない私は全く知らずにこの本で水島先生を知りました。
しかも、たまたまAmazonで本のタイトルを見た時、だいぶ前に友人が「弱火だと料理は絶対失敗しないと思う…」という発言を思い出し、「それと同じ事を言っている本がある!」と読んでみたくなったのです。
それは何気ない会話の一言だったのですが、圧力鍋を使い始めてごはんは美味しく炊けるものの、料理への理解が今ひとつだった私の心に残っていたんですよね。。。
「誰でも料理が上手くなる」なんてタイトルに惹かれるなんて、ずいぶんと料理へのコンプレックスがあったんですね〜(あまり自覚していませんでしたが…)
でも、その場ですぐには買わずに図書館で予約してみたのですが、借りれるまで2ヶ月くらい待たされました。
今ならテレビに出られている人気の先生なので、本が予約待ちなのも当然かなと思いますが、その時は全く知らなかったため、予約待ち数ヶ月の本だったら素敵な本に違いない!と勝手に思い期待しながら予約待ちをして、やっと順番がまわってきて受取に行った時、すごく地味な本でビックリしました…
というのも、料理本なのにほぼ写真がないっ!文字ばっかりの本だったのです…
もともと活字は嫌いじゃないし、行間も広くて読みやすい。内容も小難しい感じではなく、戯曲みたいな料理教室での会話シーンがあったりと飽きないように工夫もされていて、これまでの定説を覆すような調理理論が丁寧に説明されています。
しかも、文庫化されているので、かなり評判よかったのではないでしょうか…
その時は、写真のないこの本がなんで人気なんでしょうか???って思いながらもしぶしぶ読み始めたのですが、なかなか興味深い内容です。
私のような「いまひとつ料理がつかめないでいる人」にとっては、一般的なレシピ本よりも理論的なアプローチの方がどうやら合っているみたい。
料理における基本的な「ナゼなのか?」も詳しく説明されていて、それまでイマイチだった理由なども思い当たったりします。
逆に自分の裁量で料理ができている人には響かないかもしれませんね。すでに満足出来ていたら理由を探したりしませんから…
ポイントは3つで「火加減」「塩加減」「材料の切り方」。
これらをマスターすることで、安定した料理が作れるようになることが切々と説かれています。
『水島弘史』といえば『弱火』なんでしょうけど、私に一番響いたのが塩加減。
味付けってずっとセンスが必要と思っていたので、すごく自信がありませんでした。それが、自分で作った料理を出せない最大の原因でもありました。
この本の中では「素材の重量に対して、0.8%の塩分が基準」と定義されています。(好みによって前後するそうですが、ほぼ美味しいと感じる範囲の目安っていうことらしいです。)
お恥ずかしい話なんですが…実はこの0.8%を試すにあたって、なかなか計算できませんでした…もちろん、計算機を使っているのですが、スケールで材料の重さを量った後に0.08をかけてしまい、とんでもない塩の量になったりして…っ本当は0.008をかけるべきところですよね。
この計算がイマイチわからず、結局120gに対して1gの塩、または100gに対して0.8gの塩…みたいな基準を設けて逆算してました…
今から考えるとだいぶ面倒なことをしてましたよね…
この方法で野菜炒めを適当に作ってみたところ、ちゃんと美味しくできたので、この本のセオリーをどんどん試してみたくなりました。
…で、水島先生の他の本やyoutubeの動画などいろいろ調べてみたところ、どうやら「チキンソテー」で焼き方を試してみるのがいいらしいと判明。
早速、鶏のもも肉でトライしてみたところ、なかなか上手くいきませんでした…時間がやたらかかったわりにはそんなにジューシーでもなければ柔らかくもなく…でも、すごく違っているわけでもない…
野菜炒めは上手くいったのに、なんでかな〜??とちょっとガッカリ
やっぱり、一生美味しい料理なんて作れないのね…(涙)っていう諦めムードに一瞬なったんですけど、「そうだ!水島先生の料理教室に一度行って確かめればいいんだ!」ってひらめいたんですよね〜♫
そんなワケで、水島弘史 調理・料理研究所の門をたたくことになりました。
この後、予約とるのが大変だったんですけどね…(汗)
その時の私は、とにかくこの本の検証をしたい気持ちでいっぱいでした。