SONPO美術館の「ゴッホと静物画」展を観て、ゴッホを勝手に考察するの巻
みんな大好きゴッホの絵画、もれなく私もその一人。
都内で展示があるとなるとかなり高い確率で訪れております。
今回は新宿のSONPO美術館で2024年1月21日まで開催されている「ゴッホと静物画」展へ行ってきました。
コロナ禍に定番化した美術館の入場予約制のお陰で、長蛇の列に並ぶことなくスムーズに入れるのは本当にありがたい。
特にゴッホ展となると今までは数時間待ちが必須だったように思う。
今回は他の画家の作品も抱き合わせた形の展覧会なので、目玉のゴッホ作品「ひまわり」や「アイリス」以外は地味なセレクトの可能性もちょっと予期していたのですが、
実際はルノワールやらゴーギャンやら…名立たる画家達の作品が多い印象で、かなり見ごたえがありました。
ゴッホの作品もけっこうな数が展示されている印象。
後から調べると25作品ほど展示されていたらしい。
SONPO美術館所蔵のゴッホのひまわりがアイリスと共に鎮座しておりましたが、トリビア的なエピソードが他の作品の説明書きにありました。
ゴッホの死後、この「ひまわり」を貸し出した際に、弟テオの嫁さんが「生前ゴッホはこの絵を白い額に入れてほしい」と言っていたと言付けたとか。
そんなエピソードがあるにもかかわらず…「ひまわり」はメチャメチャ豪華なブラウン額縁に入れられてましたが…(;^_^A
故人の遺志は全く関係ないってことのようです(;’∀’)
なんとなくゴッホの作品は、クレラーミュラー美術館から貸し出されたものが多いなと感じました。
オランダにあるクレラーミュラー美術館は、ゴッホ好きなら一度は訪れたい美術館なんじゃないかと思う。このまま円安が進んだら、そんな機会もなくなるのかな…とふと思う。
まー、ゴッホが好きと言っても、ゴッホの作品が全て好きかと問われれば「そうでもないか…」と言わざる負えない。
やはり亡くなる前の数年間のゴッホっぽい作品が魅力的だといつも思う。
いつの展覧会だったか…忘れてしまったのですが、ゴッホの画風の推移を時系列で追った展示を観た時に、
ゴッホが自分の作風を確立するまでに、当時流行っていた手法をほぼ手あたり次第試し、トライアンドエラーを果てしなく繰り返していたことがわかり、
「ゴッホって…はじめからゴッホじゃなかったんだ…⁈」と勝手に思ったのを覚えている。
人の絵を真似ている作品にはこれっぽっちもゴッホっぽい片鱗が見受けられず…その時代にはまだゴッホはゴッホたらしめる何かが生まれてなかったように感じたのです。
後半の作品で何がゴッホたらしめているのか…と気になっていたのですが、それは「瑞々しさ」なんじゃないかと思っていたら、
絵画修復の某教授が、当時の画家は顔料を自ら合わせて絵の具を作っていたらしく、その中でゴッホはかなり丁寧な調合をしているため、絵の具の状態が良く発色が鮮やかといった話をしていたと聞いて、
「やはり!」と納得した次第。
ゴッホって勢いで絵を描いているエキセントリックな印象がありますが、実際はけっこう地味な作業を入念に行って、丁寧な仕事をしていたってことになるのでしょうか。
そして、今回の展示でさらにもう一つ印象深い点がありました!
耳カット事件の前後の作品ということで、比較できるように並んで展示されており、
だいたいサイズも同じで「卓上の野菜」というモチーフも似ています。
でも、雰囲気が全然違っているのです。
耳を切る前の作品に比べると耳を切った後の作品の方が瑞々しさが増しています((((;゚Д゚))))
やはり魅力ある作品には「狂気」というスパイスが必要なのでしょうか。。。(;´Д`)
おそらくゴッホの狂気エピソードの中では「耳を切った事件」がピカイチなんだと思うのですが、
どうやら諸説あるらしい。
実は耳たぶをちょこっと切った程度という説を、確か原田ハマさんの本で読んですっかり鵜呑みにしていたため、
今回の展覧会に同行してくれた友人に「耳を切ったって言っても実際は耳たぶをカットした程度らしいよ~ストーリーが膨らんで大袈裟になったっぽい。耳カットなんていうから『耳なし芳一』レベルかと勘違いしちゃうよねー」…としたり顔で言うと、
友人は「まー、包帯でグルグル巻きになった自画像を見たら、そりゃ耳失くしたって思うよね」と返されて…それもそうだな…と思っていたところ…新たに信ぴょう性のある説浮上。
絵画好きのほぼ全員がチャンネル登録しているであろう山田五郎さんのYouTube動画でちゃんとリサーチしてくださっておりました。
どうやら耳たぶをちょこっと切ったのではなく…
残ったのが耳たぶちょこっとだった模様…((((;゚Д゚))))
包帯グルグル巻きは大袈裟でもなんでもなく…必要な処置だったようです(-_-;)
山田五郎さんの別動画では、ゴッホの自殺説についても「自殺ではなくて事故だった」という説を推されていて本当に興味深い。
「絵が売れないまま失意の中での自殺」という印象を払拭するように、実は亡くなる前にブレイクの兆しがあって本人もそれを知っていたというのもなんとなく救いに思えたのです^^
気になる方はコチラの動画⇩を是非!