猫の治療費が際限なくかかりはじめた時の話(前編)

猫が病気になったら一体どれくらい費用がかかるんだろう…と猫を飼って10年以上想像の域をでませんでした。

猫達が丈夫で医療費が毎年のワクチンくらいしかなかったのです。(爪切りは無料)

もう20年ほど前になりますが、実家の猫が半年間、毎日点滴を受けに通院をして結局そのまま病院で息を引き取った時、一体いくらかかったのか気になりましたがコワくて聞けませんでした。(もともとは私が飼い始めた猫だったんですが…上京していた私に代わり、猫介護の労力と経費はすべて父が負担)

父は具体的な金額は言わず、相当かかったとだけ伝えられました。

もー、父には頭があがりません…

そんなわけで、猫が病気になったらけっこうかかるものだろうぐらいにしか思っておらず、めったにない頻度で軟膏代が3,000円くらいかかると「わっ出費!」って思ったりしましたが…

本当に病気になっちゃうとそういう次元じゃなくなるのか…ということに1年半前、直面する事態に。

**その経緯**

黒白長毛猫を夜間病院に連れて行った後、具合が悪いのは一時的な症状だったかのように2か月弱ほどは以前と変わらず過ごしておりました。(夜間病院へ駆け込んだ記事はコチラ

思いがけない急な出費(夜間とかかりつけの病院で5万強)で驚いたけど、元気になったみたいだしその程度で済んで良かった~と思ったのですが…

「そうだワクチン打たないと!」と思いながら1か月が過ぎ、なんか…身体が小さくなった気がする…もともと大きな猫じゃないけどさらに縮んたっぽく見えないか⁈…と思い始めた矢先、また空咳をし始めました…お腹も張っている感じがしてかたい…

前の時よりも症状が軽い感じはするけど、ワクチンは延期か…と思いながら、土曜夕方にかかりつけへ

「ワクチン打ちたいんですが、また調子がおかしい気がします…」と獣医さんへ伝えると、触診でお腹に異物がある可能性は低いとの見解。

まだ断定することはできないとも言われました。

先生の診断では…

背骨がかなり曲がってきている→血流がわるくなり内臓の働きが悪くなる→ガスがお腹に溜り内臓圧迫という流れで調子が悪くなっているのでは…と推測

つまり、治るとか治らないとかいう病気ではなく、老化現象の一つとのこと。

この症状は12歳以上のシニア猫によくみられるらしく…約1年半前に引き取った時、推定6~8歳でまだ10歳未満のはず…まだシニアというには早い感じです…

獣医さんも見た目で若いと思ってしまったけど、本当はもっと年齢が上だったのかな…と???

年齢と症状の合致が微妙ではありますが、排泄とともにガスが抜けて楽になるということで、なんと指でウ〇チを掻き出す…という先生の神業でこの日は終了。

様子次第でレントゲンを撮る必要があるかも…ということで、一旦様子見になりました。

そして、翌週水曜の夜に調子が悪くなりました…また水曜日⁈また夜間病院なの⁈…という感じです。

…とりあえず、今回は緊急性が低めだし、調子が悪い原因はまだ推測の域を出ていなかったこともあり、木曜休診という理由もあるし…とイロイロ考えた結果、他の動物病院に行ってみてもいいかと思いつく(←後で後悔)

夜に行くほどでもないし、その方がリーズナブルに違いないと私のそろばんがはじいたというのもある(←大間違いでした)

ネックは翌日仕事が休めない日だったことで。。。早退はできても休むことが難しい。。。

ネットでご近所の動物病院を調べると…さすが世田谷区、周りにたくさんヒットしました。

その中に朝の7時からやっている病院があったのです。

仕事前に預けて出勤して早退して引き取りに行くことができる!

コロナ禍のため、予約制になっていてウェブで予約したんだったかな…?(ちょっと前のことなので覚えていないけど確か7時半とかに予約出来た記憶がある)

とにかくセカンドオピニオンでなんらかの原因が知りたい一心だったというのと…

いつものかかりつけ病院が頼りになるのは重々わかっていたのですが、いかんせん人気動物病院のため、混み合い過ぎて待つのも億劫になっていたというのもあり…

この際、通院することをふまえると早朝に行ける病院に変えるのもアリなのかもしれないと期待値は高かったのですが。。。

一日預けて様子を見てもらい、原因はわからずじまいでした。

こちらの先生はまだ若く、レントゲンをたくさん撮って考察していただきましたが、結局、かかりつけの先生の触診と同じ結果。(経験値ってスゴイです)

こちらの病院、1日で6万でした。(夜間病院より高かった…)

このまま原因がわからない場合は外科手術も考える…という話がでてしまい…もし、外科手術になるんだったら…いつもの先生の方が安心…と思い、かかりつけの病院に戻ることに。

休診だったから、まーしょうがないって思ったのですが、かかりつけの先生には「あ~、あそこ行っちゃったの~。それだったら夜間病院の方がいいのに!」と案の定、怒られました。

獣医さん的にはやるせない気持ちになる模様…以下、かかりつけ獣医さん談

ここは世田谷区の動物病院激戦区だから、コンサルを雇って診療時間を決めているんだよね。朝7時からだったら、他が開いてないから行っちゃうでしょ!ウチに来ている飼い主さんでも休診の時に行っちゃて、良くならないってこの前も戻ってきた!…結局、こっちに症状の重い子が集まってきちゃって、利益率の良いとこだけを持っていかれる~~(ムッキーっ)

…という感じでございました。

…ですよね。かかりつけの先生はギリギリまでレントゲンを撮らないで済むようにしていたのに、他でレントゲンをバンバンとっちゃって、「コレ、データです」(かかりつけ病院にもどりますと伝えた時にレントゲンデータをROMでもらってました)って渡された状況なんで、だったらこっちでレントゲンとってくれよーって思いますよね…すみませんでした。。。

わー…大変なことになったな…と内心思ったのですが、これから何が起こってもこの病院にすると決めました。

外科手術は必要ないと思うし、今の状態だったら手術に耐えられないって!(ムッキーっ)…とかかりつけの先生の怒りがなかなか収まらず…、それでも例の神業でウ〇チをかき出してもらいました。

どうやらもっと嫌がってもいいはずなのに嫌がらないし、お腹に力が入らず肛門のしまりもゆるすぎるとのこと。

おそらく初見の背骨の湾曲による機能不全が妥当という判断に落ち着きました。

その日から朝預けて仕事帰りに迎えにいくというサイクルが続くことに…

有難いことに朝は優先して診てもらってから預け、病院は19時まででしたが、仕事の定時が19時のためどんなに急いでも30分はかかってしまうのですが、私が病院に着くまで預かってもらえました。(毎日早退というのが難しかったため本当に助かりました。)

…で、その日の症状で処置が変わるので日によって金額も違っていて、さらに現金払いだったこともあり、はじめの数日は毎日2万円ずつおろしては迎えに行く感じでした。

今日は1万9千円、翌日1万2千円…みたいな感じで、数日後に1万円以下になり8500円、6500円…、9,000円…って感じでいつまで続くのかもわからなかったので、そのうち10万円ずつおろせばいいかという発想になり、累計が20万を超えたあたりで累計は考えないことに(;’∀’)

お金に羽が生えたみたいになくなっていくってこのことか~と実感する日々でしたー(;^_^A

しまいには今日は7000円で済んだ!みたいな感じで7000円が700円みたいな…金銭感覚もおかしなことに。。

結局、連日だったのは10日くらいだったはず…その間にかかった金額は20万くらい、最終的にはビビるほどの金額ではなかったのですが、その時は一体いつまでこの状態が続くんだろう?と上限がないことが不安だったのだと思います。

まわりでもっと治療費がかかった事例(ウサギの治療費月7万×半年以上とか、犬の外科手術68万というリアルな情報)を集めてみたりしながら、いくらまで支払えるのか考える日々ではありましたが、一方で意外に払えるものだなという感覚もあり…

以前は病気になった時の治療費を想像して自分の払い能力を上回ったらどうしようと震えていましたが、いざそうなるとちゃんと払えてる…思っていたよりもメンタル的に大変じゃないということに気づいた感じです。

昔読んだ『着倒れ方丈記』という高級ブランドフリークの庶民というちぐはぐな人たちをテーマにした本の中で取材を受けた一人が

「ずっと自分には買えないと思っていたブランドの服をある日、思い切って買ってみたら、あ…自分でも買えるんだ!ということに気づいて、その時からそのブランドの顧客になった」と答えていた感じと同じだな…と思い出しました。

払える払えないって実際の支払能力以上に心理的な壁を超えるか超えないかという問題なのかも…と思ったのです。

不思議なことに支払うことに全然抵抗がなくなったら、状況がおさまり始めたようにも思う…それも気持ち的に気にならなくなっただけのことなのかもしれませんが…

しかも、ここまではまだ中盤…

治療は弱った状態から回復して背中を温めて血流をよくして内臓の働きを促すという対症療法(特定の病気ではないので)に移行し、週末に連れて行くというスタイルになったのですが、もう一山乗り越えることになるのです。

つづく

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