レアンドロ・エルリッヒ展 と「秘密の動物誌」
先日、終わった現代アートの『レアンドロ・エルリッヒ展』
すでに去年の暮れから始まっていたようなのですが、会期が終わるギリギリに友人と観に行った感想。
「観るだけでなく作品に入り込めるインスタレーションが多く、ちょっとした異次元体験ができて楽しかった♪」という感じ。
視覚で騙すトリックの作品は、私たちが大半の物事について視覚で判断していることを実感させられます。
インスタでも大人気だった『建物』という作品。
トリックはこんな感じ↓(一緒に展示されていた作品の模型)
鏡に映った建物によじ登ったり、ぶら下がったりして見えるけど、実際は床に寝ている状態。
スマホ撮りしてもらった姿を後々から何度も見てしまう…思い出さずにはいられない作品です。
(みんなその場に居合わせた赤の他人)
この日はものすごい人で、他の展示作品を見る時には、ちょっとウンザリくらいの混雑ぶりなのに、
この作品の場合は、無作為に多くの見知らぬ人達と写真に納まった感じが逆にいいな〜と思えてしまいました。
混んでいるので、各々が空きスペースを見つけて鏡に映るところへ滑り込み、自分の居場所を確保するため、全くの即興というか無計画なのに、なんだかまとまって見える。
服の色とかバランスもよくみえて、絵画みたい…
そうだ!ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」風じゃないの?!って思ったりしてっ
↓コチラ私のお気に入り絵画 ボス「の快楽の園」
あれ?それほど似てないか…
もっと似ている絵画もありそうなんですが、お気に入りの絵と結びつけてしまいました。。。
さらに今回の展覧会のコンセプトから連想した本もありました。
それが、「秘密の動物誌」。
1991年12月に筑摩書房より刊行された不思議な動物の写真とエピソードが綴ってあるサブカルチャー本。
→数々の珍獣を「発見」したのち謎の失踪を遂げた動物学者、ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の偉業を、膨大な写真や詳細な観察記録などから紹介。「存在するとは写真にうつるということである」という逆説が、動物たちの存在証明を主張するっていう内容。
人の視覚と認識のつながりに一石を投じる意味深い一冊なんですが、初めて図書館で借りて読んだ時には、好奇心を鷲掴みにされて震えてしまいました。
最後の解説まで読み切らないと、この本の真の目的にたどり着けませんので、読破出来る方にオススメ。
今回のレアンドロエルリッヒ展同様、視覚で簡単に観念まで変わってしまう…そんな体験が出来るかもです。
余談ですが、「幸せ」も「不幸せ」もその人の観念次第なんだろうなと今にして思う…かつ、その観念を握りしめて「シアワセ」って言葉に今までけっこう振り回されてきたな〜としみじみ思うのでした。