『74歳のペリカンはパンを売る』を観た感想
老舗のパン屋「ペリカン」のパンが好きだったら、観ておきたい映画なのかもしれません。
最近流行の手作りパンとは違ったいわゆるパンの町工場といった風景が繰り返し撮られています。
機械と人のコラボでたくさんのパンが焼かれていました。
「74歳のペリカン〜」というタイトルから、ペリカンというパン屋の歴史を紐解くみたいな内容なのかと思っていましたが、どちらかというと現在のパン作りの姿が淡々と映され、そのシーンの合間にどんなにペリカンのパンが愛されているかというファン心理の洞察が語られる構成になってました。あと、浅草という土地柄もフォーカスされてます。
デジャヴのように何度も似たパン作りのシーンがあるので、パンに興味がなかったりすると飽きちゃうかもしれません…
逆にパンが好きでたまらない人にはその作業工程を興味深く観れる映画なんだと思います。
印象に残るのは、勤続40年というパン職人の名木さんでしょうか。
「パンは生き物」とおっしゃられてました。
変わらない味を作り出すために、季節によって材料の配合を変えているそうです。
美味しいパンを支えているのは、熟練した職人の勘ってワケですね。
一社員の名木さんですが、普通そこまでパン作りが出来れば独立したくなるものだと思います。
一生社員のまま会社に尽くす姿がありました…昭和な感じです。(会社にとってはありがたい存在ですよね。)
今は弱冠29歳の4代目が店主となりその歴史を受け継いでいくようですが、この人気は2代目の店主の功績が大きいそうです。
1代目と3代目の店主については、全く触れられていませんでした。(余計、気になります)
映像は、最近ありがちな感じではありますが、オシャレっぽく仕上がってます。
私としては、ほっこりとする雰囲気よりももう少し深いストーリーが観たかったな〜ってちょっと思いました。
一緒に行った友人は十分楽しめたそうです。
ともかく、この映画を観たらとりあえず一度はペリカンのパンを食べたくなるでしょうね。
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